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伝えたいポイントが際立つ!企画書のフォーマットと書き方

日々の会社業務のなかで、企画書を書く機会は少なからずありますが、自分のアイデアを企画書に落とし込んでも、その核心がなかなか相手に伝わらないことがあります。アイデア自体に魅力が乏しいという理由も考えられますが、単に形式上の問題で相手に伝わっていないという「もったいない状況」も考えられます。

企画の中身で勝負してもらうためにも、企画書のあるべき型をしっかりと押さえておきたいところです。今回は、企画書の基本となるフォーマットと書き方について解説します。

 

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目次

企画書を書き始める前に、まず企画書の大きな構造や要素を捉える

企画書が思うように書けなかったと悩む人の多くは、その原因として「良いアイデアが思い浮かばない」「数字の裏付けが甘い」「魅力的な文章が書けない」といった企画書を構成する個々の要素に目を向けがちです。

確かにこれら個々の要素は企画書にとって重要なものですが、最初に確認するものとしてはこれら「枝葉」の部分よりも、「根幹」にある土台の部分に着目することのほうが大切です。

いくら個々の要素が粒揃いであっても、「根幹」の土台である企画書の基本ルールがぐらついていると、根本的に文章が読みづらかったり、全体として何を伝えたい企画書なのかわかりにくくなったりします。

企画書は大きく「事実(現状分析)」+「提案」という構成で成り立つ

企画書を書くときは、まず、大きく「事実(現状分析)」と「提案」とが何かを考えます。とはいえ、細かいものを含めると、たくさん「事実」や「提案」を含めて企画書を仕上げますから、そのなかでも特に根幹となる「事実」と「提案」が何かをまずは見定めるようにします。これが企画書を書く上での出発点です。

書籍や雑誌などでよく見かける「企画書の書き方」は、必要な細目(フォーマット)が紹介されており、そこでは細目に沿って項目を埋めていくことが勧められます。もちろん、企画の内容によっては、その細目がピッタリ当てはまることもありますが、必ずしも合わないことも多い印象です。

というのも企画の性質によって伝えるべき内容は微妙に異なってくるため、細目レベルまで特定されたフォーマットをもって、すべての企画を説明できるとするには無理があるからです。結果的に企画書としてわかりづらい内容になることがあります。したがって、出発点としては、あくまでコアとなる「事実(現状分析)」と「提案」からです。

この2つを基に、項目を派生させたり、小さな項目を加えたりして、自然に枝葉が広がっていき、気づくとその企画に最適なフォーマットになっている、というのが理想的な順番となります。自分なりにフォーマットを構成したのちに、書籍・雑誌にあるフォーマットを参考にして足りない点を補足するというのがベストな方法です。

企画書では、「事実(現状分析)」と「提案」とを混ぜないようにする

ここでついでに、「事実(現状分析)」を書く上でのいくつかのルールを確認しておきましょう。

まず「事実(現状分析)」と「提案」を書くときには、2つを混ぜてはいけません。事実は事実でまとめ、提案は提案でまとめるのが鉄則です。

読み手の立場に立つと、企画書を読む際の思考プロセスは大きく2つに区別されます。すなわち①まず前提となる「事実」だけを確認する段階、②次に「事実」を足場に「提案」を吟味する段階、の2つです。2段階に分けることで、読み手は論理的思考を働かせやすく、「読みやすい」という印象を持つことができます。

逆にこの2ステップの区別が曖昧になると読み手は混乱します。例えば「事実」の中に「提案」が混じっていたり、「提案」の中に再び「事実」が長々と紹介されていたりするような場合です。2つの区別を曖昧にし混同してしまうと、いくら扱う素材が良くても、読み手にとっては出来の良くない企画書となります。

企画書では「事実」と「認識」とを混ぜないようにする

さらに似たような話ですが、「事実」と見せかけて実は自分の「認識」(たとえば感想や理想)を述べているような企画書も適切ではありません。

「事実」を紹介する際は、できるかぎり混じり気のない「事実」に徹する必要があります。「事実」の説明なのに個人的な認識が入り込んだり、結論を一定の方向に導こうとする意図が見えたりするようなことは論外ですが、自分にとって都合のよい「事実」のみを並べる方法も同様です。先に結論ありきの説明として、実質「認識」が含まれた「事実」の説明とみなされるでしょう。

また、「1,000人“しかいない”」や「1,000人“もいる”」というような表現も、少ない・多いの「認識」を表現のニュアンスに含めているため、純粋な「事実」とはいえません。

まずは読み手は「事実」を確認したいわけですから、その段階で「認識」が入りこんでいると、その「認識」に賛成できる・できないにかかわらず「ルール違反」とみなされ、企画書として信頼が置けないと判断されます。

「事実」が真実であるという前提がなければ、人は安心してその先の提案内容について議論することができません。それだけ「事実」を語るときの客観性は大事であり、企画書の信頼性を保つ上で必要不可欠の要素となります。

企画は内部、提案は外部。提案書は誰かの課題を解決するためのもの

ちなみに「企画書」によく似た文書に「提案書」がありますが、両者の違いについて簡単に確認しておきましょう。

提案書とは何か?企画書との違いについて解説

まず提案書は、すでに課題がある程度明確になっている問題に対し、解決策を示した文書です。社内というよりも社外に向けた発信であるニュアンスが強くなります。例えば(社外の)顧客が課題を抱えて、相談しにきた場合に、提案書に具体的解決策をまとめて顧客に示すことになります。

企画書とは何か?提案書との違いについて解説

それに対して企画書は、課題立てから自分で考え、さらに解決策を示すものです。課題立てをした以上、なぜその課題を解決しなければならないかについても説明する必要があり、背景となる事実の説明も含めると分量はかなり多くなります。

ゴール設定や損益分岐の評価の仕方も自身で設定する必要があり、提案書と比較するとゼロから作り上げる性格が強く、より創造的な思考が求められがちです。他社の課題を創造するという場面はあまり想定しづらいため、企画書の多くは自社内の問題解決や事業創造のために用いられることが多くなります。

企画書の基本的な構成は、①企画のコンセプト、②理由(背景)、③課題、④具体的な実行方法

ここで、企画書の基本的な構成について簡単に確認しておきましょう。具体的には、①企画の概要、②理由(背景)、③課題、④アプローチ法、となります。なお冒頭で説明したように、最初に考えるべきはコアとなる「事実(現状分析)」と「提案」です。これら2つを見定めた上で、①〜に派生させるという流れが大切です。

「事実(現状分析)」はそのまま②理由(背景)ですが、「提案」は①企画のコンセプト、③課題、④具体的な実行方法、に派生します。論理展開としては、「②理由(背景)」に基づき、「③課題」を見出し、課題達成のための「①企画コンセプト」が考案され、企画を実現する具体的な「④具体的な実行方法」が検討される、という順番です。

ですが、企画書としては、結論を先に書くなどして①〜④の順番で書くほうが据わりがよくなります。なお①〜の個々の項目に具体的に何を書くべきかについては、後ほど「新規事業の企画書」を例に紹介します。

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すべての企画書に共通する細かな要素とは?含めるべきこと・留意すべきこと

ここまで企画書のとるべき大まかな構造について紹介しましたが、ここでは比較的細かな要素や注意点について解説します。

企画書の導入文には「フック」を入れる

企画書に限らず、他人に説明するためのあらゆる文書は、導入文を入れることで随分と読み「始め」やすくなります。導入文は、これから何を説明するかの予告も兼ねているため、読み手はあらかじめ内容を予測することができ、安心感をもって企画書を読み進めることができるでしょう。

さらに導入文に、読み手の興味を引き立てるような「意外性ある内容」や「強く共感してしまう内容」が含まれていると、読み方をより能動的なものに変化させることができます。この興味を呼び起こす“引っかかり”を「フック」といいます。

必ず入れる必要はありませんが、有効に「フック」を活用し読み手を引き込むことができれば、読み手の企画に対するコミットメントを高めることができ、読み手の好感度を上げるきっかけとすることができます。

なお導入文の型は、①事実の提示、②事実に対する簡単な分析・考察、③分析・考察を受けての企画内容の予告(簡単な概要)、という構成が一般的です。導入文は、手軽に読み始めてもらうことを目的にしますので、企画書全体の長さを問わず、200字くらいで収めるのが適当です。ちなみに「フック」は①か②に入れます。

企画書の中身はできる限り短くコンパクトにする

企画書をできるかぎり短くまとめることは、企画書の書き手にとっても、読み手にとっても多くのメリットがあります。書き手にとっては多くの分量を書かなくて済み、読み手にとっては多くの分量を読まなくて済む。

その「手軽さ」によって、より多くの企画書を提出することができ、より多くの企画書を読むことができるため、単純に企画提案数を増やすことができるほか、構成員間の情報交換や意見交換を活発化させることができます。

では具体的に、企画書を短くまとめる方法とはどのようなものでしょうか。

企画書は「だ・である調」で書き進めるのがおすすめ

文末の結び方によって、「です・ます」調と「だ・である」調に分かれます。一般的に「です・ます調」は長い文章になりやすく、「だ・である」調は短く簡潔な文章にまとめやすい傾向にあります。できるかぎり短く書くという目的であれば、「だ・である」調で要点のみを淡々と書き進めるほうがお勧めです。

企画書は紙1枚でまとめると決める

短くまとめるための方法というより、結果(文章分量)に縛りをかけると表現したほうが正確かもしれません。分量の縛りによって伝えられる内容が限られると、書き手は無駄な情報をできるかぎり削ぎ落とそうと努力します。すると、結果的に重要な情報しか残らず、論理展開の流れもシャープになります。

やや単純化されすぎるきらいはありますが、「何が言いたいのか」の点では、誰に対しても伝わるよりよい企画書にまとめられているといえるのではないでしょうか。

事実(現状分析)を裏付けるデータ類についても、一部省略するために、より高いレベルでの正確性を欠くおそれがあります。ですが、やはり1枚にまとめられることで、より多くの人に基本的なデータとともに企画書の根幹をわかりやすく伝えることができています。広くアイデアを発信し周知させるという企画書本来の存在意義を考えたとき、この手軽さの価値は決して低くはありません。

企画書はわかりやすい文章で書く

基本中の基本ですが、わかりやすい文章で書き進めるように心がけましょう。具体的には「小学生でも読み解けるレベル」を目指すことがおすすめです。

もちろん書かれている内容は、小学生が理解できなくても構いません。ですが「言い回し」に関しては、できるかぎり単純で平易な表現を用いることを心がけて、難しい表現は避けるようにしましょう。企画内容はあくまで素材で勝負することとし、文章の「巧みさ」でカバーしようすることも止めておいたほうがよいです。

企画書には記録文書として必要な日付・作成者名を書く

企画書は、記録文書も兼ねています。特に「事実(現状分析)」の部分は、調査したデータやアンケート結果を紹介している場合など、後で振り返って非常に参考になることがあります。記録文書としても活用できるように、日付、作成者、提出先等の情報は明記するようにしましょう。

「新規事業」企画書のフォーマットと書き方

以上、企画書の書き方の基本を押さえた上で、「新規事業」を立案する場合を例に、企画書のフォーマットと書き方について解説します。

新規事業の「コンセプト」を書く

まず、その新規事業が結論として「何をしたいのか」の端的なコンセプトを示します。冒頭で、はじめに核心となる「事実(現状分析)」と「提案」を見定める必要があることを述べましたが、このうちの「提案」部分に当たります。

新規事業の本質的な価値は何かを考えて、まず一言で言うとどう言い表せるかから始めましょう。そして「一言」に多少の補足事項を加えれば、それは立派なコンセプトとなります。

あれもこれもと内容を盛り込みすぎると、書き手自身も提案の核心がわからなくなり、もちろん読み手もわからなくなります。できるかぎり短い文章でまとめるよう努力することがポイントです。

新規事業の背景となる「事実(現状分析)・理由とニーズ」を書く

次に、背景となる事実(現状分析)・理由とニーズです。つまり、「なぜその新規事業を行う必要があるか」について、事実と顧客のニーズを基に書きます。

まず社会の潮流や業界の動向といった「外部要因」や、自社がもつ強み等の「内部要因」を軸に背景となる事実を紹介し、現状分析を行います。まずは純粋な事実のみを紹介することに徹し、できれば具体的な数字を含めて客観性を強化すると同時に、先述のとおり個人的な認識論を入れ込まないように注意が必要です。

ただし、ニーズの分析については、その洞察の過程においてどうしても認識論を入れ込まざるをえません。ですがやはり「新規事業の企画者が都合のよいように『顧客のニーズ』を創作しているのでは」という疑いは避けておきたいので、アンケートで意見を聴取した結果であったり、専門家の意見であったりと、より客観性のある認識論を通じて、ニーズの分析結果を示すのが無難です。

新規事業によって解決すべき「課題(目標)」を書く

「なぜその新規事業を行う必要があるか」が決まったら、課題・目標として「具体的にどのような成果を目指すか」を説明する段階に入ります。

1つの新規事業をもって、現状分析により判明した顧客ニーズのすべてを満たすことは不可能ですので、どこか部分的にニーズを満たそうと考えるのが現実的です。そして、その「どの部分のニーズにアプローチするか」の検討が、課題・目標を設定することに他なりません。

課題・目標は、のちに事業の成否を判断する評価基準ともなるため、より具体的に定めることが求められます。可能であれば定量的に判断できる指標を含められるとなおよいでしょう。

新規事業の具体的な「実行方法」を書く

「どのような成果を目指すか」を決めたら、具体的な集客方法など、「成果を達成するのに必要な具体的な方法は何か」といったアプローチ法(方法論)の説明に入ります。

アプローチ法は、課題(目標)との関係が重要です。課題達成のためにそのアプローチ法をとることが、論理的につながっていなかったり、量的なスケールが不足する場合は、どちらかの(もしくは両方の)設定が間違っています。

逆算的に考えることも必要で、まず自社の事業規模から採れる具体的方法(アプローチ法)のスケールに見当をつけ、最初からそのスケールに見合った課題・目標にまとめておくと設定が破綻しません。なお顧客の層によって、アプローチ法は千差万別なため、顧客像を具体的に設定する、いわゆる「ペルソナ設定」も非常に重要になります。

新規事業の「リスク」も正直に書く

新規事業を実行する結果として、よい想定ばかりでなく、悪い想定も併記しておかないと公平ではありません。

新規事業の審査では、メリットとリスクを見比べて最終的に実行に移すかどうかが決められるため、採択を願う提案者としては、できればリスクは隠しておきたいところです。ですが、そもそも事業には必ずリスクが伴うものなので、リスクが全く提示されていなかったり、少なすぎたりする場合は、かえって信頼性の置けない企画書として厳しい評価を受ける可能性があります。

とすると、リスクもある程度正直に明示するほうが賢明です。そのうえで、予防策やリカバリー方法も併せて書き、読み手の懸念をできるかぎり軽減するのが得策でしょう。

新規事業の「損益計画」を書く

かかる費用に対して得られる利益が少ない場合は、新規事業が採択される可能性が低くなります。一定期間ごとの収支計算がプラスになることは営業を継続していく上で絶対条件ですが、さらに年間利益が初期投資額に対してどれくらいの割合かを示すROI(Return On Investment)もよく用いられる指標です。

健全に経営されているといえるためには、最低でも10〜20%のROIが必要と言われています。新規事業を検討する段階で、ROI20%に満たないとすれば企画案の採択は非常に厳しくなるでしょう。

以上のほか、新規事業の具体的なスケジュールを示すことも重要です。

まとめ

企画書の検討は、核心となる「事実(現状分析)」と「提案」とを見定めることから始めます。

基本的なルールとして、事実と提案、また事実と認識を混ぜて書かないようにしなければなりません。

企画書はできるかぎり短くまとめるほうが、書き手・読み手双方にメリットがあり、社内の議論が活発化します。

「新規事業」企画案の具体的なフォーマットは、主に、コンセプト、理由(背景)、課題(目標)、企画の実行方法、リスク、損益計画などです。

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