事例(ケーススタディ)

中長期デジタルマーケティング戦略策定支援プロジェクト

中長期デジタルマーケティング戦略策定支援プロジェクト

とある国内大手企業様のデジタルマーケティング戦略策定を弊社が支援させて頂きました。4部門にわたる組織横断でプロジェクト体制を敷き、4ヶ月間で策定を行いました。

策定したデジタルマーケティング戦略プランは経営会議にて承認されました。

 

クライアント様

東証一部上場の国内大手製造業様(ToC)

 

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背景

デジタルを推進する組織の主導するプロジェクトとして始まりました。組織のデジタルを横断的に推進する組織を設置しましたが、そこに戦略が不足しており、何から着手して良いのかも分からず、また事業部からの理解も得られず成果が出ていない状態でした。

その折、デジタルマーケティングの戦略を策定し、そのプランに基づいてデジタルを推進すべきであるという号令がかかり、弊社にお声がけを頂きました。

 

デジタルマーケティング戦略策定プロジェクトの進め方

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実は別のコンサルティング会社の火消しとして参画

実はクライアント様は最初は弊社とは別の国内大手のコンサルティング会社を使って戦略策定を考えており、弊社はプロジェクトのPMO的な立ち位置で参画し、主に現場社員様の業務を支援することをミッションとして参画しました。

しかしこのコンサルティング会社のプロジェクトの進め方が、まさにテンプレート型の全く融通が効かないものであり、かつ「とにかくワークショップをやるので、お客様で答えを出してください。我々はアドバイスは行いません。」というスタンスであったため、全くもってクライアント様のニーズにマッチしないプロジェクトとなってしまいました。

具体的なアウトプット例の提示を依頼しても出さず、これも「すべてお客様が考えるものなので、今出せるものはありません」というスタンス。これでクライアント様は怒ってしまい、とてもこのままでは進められないとなり、主従を逆転してどうにか弊社主導で進められないかということで弊社が担当することとなりました。

正直、かなりの金額をお支払いしていたにも関わらず、非常に無責任でずさんなプロジェクトで大変驚きました。

 

プロジェクト計画の策定

まず我々が行ったことは、アウトプットと進め方をお客様と合意することです。

経営会議にて報告の必要があったため、その際に必要な要素はマストで検討の要素として入れ、そこから逆算する形で計画を策定しました。

また特に横断型の組織であるため実行力が弱いことを考慮して、検討の段階から関係する部門の責任者を巻き込んだ計画を作ることをご提案し、マーケティング部門、営業部門、IT部門を巻き込んだプロジェクト体制を構築しました。

当横断組織とこれらの部門との関係性は非常に浅く、当初お客様は声をかけることすら嫌がっていたご様子でした。しかし、やはりここを巻き込まなければ物事を動かすことは出来ないということをお伝えし、なんとかプロジェクトをスタートさせる事ができました。

 

戦略検討会の設置

週次で検討会を設定し、その中で重要な意思決定を進めて行きました。実は始める前は、「あの部門はデジタルなんて何もわかっていないから、巻き込んでも意味ない」といった声が出ていたのですが実際腹を割って話してみるとお互いに深く考えていたものがあり、深く腹を割って話せたことが実は一番の収穫だと感じました。

特に市場として縮小傾向にあるビジネスであったため強い危機感を持っており、それに対してそれぞれの想いを語って頂くことで非常に現場感のあるデジタルマーケティング戦略策定に仕上がりました。

お互いに利害関係の一致しない所はいくつかあったものの、「中長期的な視点で会社にとってどちらが重要か、またそれは何故か」を言語化しながら進めていくことで最終的には納得頂ける戦略が出来上がりました。

 

デジタルマーケティング戦略策定の結果

弊社主導で作成した中長期デジタルマーケティング戦略は経営会議で無事承認され、各部門この戦略に基づいて施策を推進することとなりました。またこの検討の副産物として横の繋がりが出来たことで、新たな相談もしやすくなったとお喜びの声を頂きました。特にIT部と事業部側がお互いにどう接点を持てばよいのか分からなかったところを、この戦略に基づく内容を中心に事業部側から気軽な相談が行くようになり、組織としてデジタルが活発化した様子が見られました。

このような横断的な戦略策定は策定時にはお互いの利害がぶつかり非常に困難が伴うものの、一度作ってしまえばそこに共通の認識が生まれ、様々なものがスムーズに進む利点があります。

またちゃんと意思入れを行った上での戦略ですので押し付けられたものではなく、自らが主体的に進めてくれるものでもあります。

実は戦略策定はそのアウトプットだけでなく、次の実行フェーズを上手くすすめるための、作り上げるプロセスが非常に重要であると改めて感じたプロジェクトでした。

 

デジタルマーケティング戦略策定の成功要素

本プロジェクトを振り返り、デジタルマーケティング戦略策定が成功した要素は以下であると考えます。

1.実行フェーズでボトルネックになりそうな人を予め巻き込んだこと

意外と俺は聞いていない、納得していないという理由で実行が上手く進まないケースが多いです。そういった方は事前に検討メンバーとして参画して頂き、そこで意思入れを先にして頂くことが非常に重要です。

2.ゴールを明確にしたこと

お互いの利害では意思決定が進まないため、共通のゴールを具体的にしました。具体的には○年後に会社としてデジタル、マーケティング領域で必要なことは何か、それをどの組織が責任を持ってやっていくのかを決めること、といったゴールを設定し、アウトプットの資料の枠を提示し決めるべき要素を具体化しました。これにより意思決定の軸を作ったことで異なる立場のメンバーが集っていましたが意思決定を進める事ができました。

3.お互いに意見をぶつけてもらうような進め方にしたこと

検討資料の叩きを作成する際に、あえて論点を設けて意見をぶつけてもらうようにしました。例えば○○という技術が海外事例として挙がっていますが、○○部門のAさんはこれに対してどういう感想を持っていて、それはなぜですか?といったようなものです。

大事なことは、本音を聞くことだと思います。上から技術ドリブンでこれをやれと言われてもなかなか進まないので、その本音を先に聞いた上で納得した戦略プランを作ることが重要であると考えます。

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