INFOHUBコラム

世の中のビジネスモデルの種類を究極にシンプルにすると、3つのパターンしか存在しない

ビジネスモデルの種類をシンプルにする背景

世の中には、ビジネスモデルが数多く存在しています。そもそも、「ビジネスモデル」という概念自体が曖昧なのに対して、いろんな人が様々なくくりを作るため、数多く存在してしまっているという問題があります。

 

ビジネス理解を促進させるための手段であるはずの「ビジネスモデル」が、数が多くなったことで複雑性を増してしまっていると私は考えます。

例外を考慮すればするほど細分化され、そうした方がより精緻になることは間違いないのですが、どこかのシステム開発のように肥大化し、複雑化し、もはや人がメンテ出来るものではなくなります。

 

また実は、複雑化させる方が簡単で、シンプルにする方が難しかったりします。

また、世の中のweb記事は文字数が多いほうがSEO上良い傾向もあることも、複雑化を助長している要因の一つのように思います。

 

多少の例外を無視してでも、よりシンプルにすることが世界にとって価値がある、というのが私の考えです。シンプルにすることで、理解が容易になり、具体的なアクションにも繋げやすいと考えます。

 

本記事では、「物事を究極にシンプルにすることでビジネスの本質に対する理解度を深める」ということに主眼を置き、整理をしたいと思います。

本題の前にビジネスニュースアプリINFOHUB のPR

私、株式会社tryX代表の関谷は、ビジネスニュースアプリINFOHUB(現在iPhone版のみ)を運営しています。この記事は、INFOHUBのマーケティングの一環として作成しています。

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そもそも、ビジネスモデルの定義とは何か?

ビジネスモデルについての統一された定義はありませんが、ビジネスモデルについての統一された定義はありませんが、おそらくビジネスモデル関連で最も有名な書籍「Business Model Generation」p.14に記載されている、「ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるのかを論理的に記述したもの」がシンプルで信頼性も高く、わかりやすいのでこちらを利用したいと思います。

 

つまりビジネスモデルとは、①価値のつくり方 と、②その価値の届け方 に大きく分けられるということです。

なぜ、ビジネスモデルをパターンに抽象化して(落とし込んで)考えるのか?

ビジネスモデルとは、数多あるビジネスを抽象化してカテゴライズしたものです。ではなぜ、そのような抽象化を行うのでしょうか。

注意しなければならないのは、いちビジネスパーソンに対して「ビジネスモデルを調べてまとめる」といったタスクが落ちてきたときに、「整理してまとめる」だけを行って満足して終わり、となりがちだということです。

確かに、綺麗に分類できるととても気持ちよく、その場は分かった気になります。が、その資料はなんのアウトプットにも繋がらず、記憶にも残らず消えてしまいます。それでは自己満以外の何ものでもなく、全く価値がありません。

 

ビジネスモデルのパターン化を意味があるタスクとするには、「なぜパターン化を行うのか」、もっと言えば「パターン化を行った結果、何をしたいのか」という目的を明確にしておくことが極めて重要です。

ここから先はあなたの目的を明確化してから読み進めて頂けると、より意味が増します。

ビジネスモデルを使って何をしたいのか、の目的に関して筆者は大きく2つあると考えています。

  1. サービスの精度・クオリティを上げる
  2. サービスの勝ち筋を見つける

1. サービスの精度・クオリティを上げる

1に関しては、方法はいくつかありますが、弊社がオススメする方法としては同じカテゴリ内の別企業を調べ、自社との差異を見つけそのギャップを埋めていく作業です。

このときに有益なものとしては、アレックス・オスターワルダー博士らが開発した、「ビジネスモデルキャンバス」です。これは、9つの領域ごとに企業の活動を当てはめることで事業の全体像を見る事ができるツールです。

ビジネスモデルキャンバス

この各領域ごとに自社との差異を差分として見出します。この差分はただ単純な差分としてではなく、他社との優位性の観点で考えていくとより良いでしょう。

例えば、他社がオウンドメディアを運用していたとしても、それが上手くいっていない(例:記事の更新量や更新頻度が落ちているなど)のであれば、真似しても御社も失敗する可能性が高いということを示しています。他社が上手く活用できていることを真似ていくことが「負けない戦略」という観点では重要です。

その後、自社の戦略に照らし合わせて注力すべき差分の優先順位付けを行い、具体的な施策を検討していきます。

 

他社とのビジネスモデル上の差異に関しては例えば以下が考えられます。

  • 他社が行っているマネタイズモデルは何か?(サブスクリプション?広告?)
  • 顧客との接点としてどのようなタッチポイントを使っているのか?(SNSの活用度合いや、オウンドメディアなど)

・・・

 

これらを比較し、自社で取り入れていくべきものを探っていくことで、サービスの精度やクオリティを上げることが出来ます。

これはよく他の記事でも見かける話かと思います。

 

ただし注意点としては、これは攻めの戦略ではなく守りの戦略になりがちという事です。守りというのは、他社との競争に負けないために実施しなければならないものであり、決してそれをやるから勝てるというものではないという事です。これは成功事例を真似ているだけなので、競合との差を広げる事は難しいです。

 

ちなみに自社と離れた所から持ってくることで短期的には優位性を担保しやすくはなりますが、模倣難易度が高くない限りは他社にも真似されると考えるべきでしょう。

 

2.サービスの勝ち筋を見つける

本記事で注力したいのは、こちらです。

ビジネスモデルを抽象化することによって、全体としてどのような力が働いているのか、大きな方向性として何に注力していくべきかが見えてきます。

 

こちらは前記「サービスの精度・クオリティを上げる」と違い、中長期の戦略に紐付いてくる話であり、こちらの方が本質的には重要と考えています

それは、大きな勝ち筋が見えた上で施策が紐づくべきであり、施策の積み上げの先に勝ち筋があるわけではないからです。確かに施策の積み上げで個々の数字は上がっていきますが、大事な幹の部分を見失ってしまうと一気に負けてしまいます。

 

以下は、中長期的な勝ち筋を見つけるという観点においてビジネスモデルを弊社にて集約した結果です。

OMO時代の今、②価値の届け方のパターンを分けることにどんな意味がありそうか。

前提としてパターン分けをすることに意味がないことは決してなく、時間とお金が無限にあるのであればやれば良いと思います。

が、いかに枝葉を落として幹を見るかが戦略論の本質です。

今や価値の届け方は様々ですし、そもそも1つに限られるということもほとんどありません。皆さんも一度はカスタマージャーニーを書いたことがあるのではないでしょうか。顧客とのタッチポイントが一つということはもはや全くありませんし、各企業によって異なるものが多いため、ここは単純なモデル化して分類(パターン分け)することに対して筆者は意味を見いだせません。

として今回は割愛します。

どう届けるのか、はもちろんとても重要なのですが、それをパターン分けして考えることに意味がほとんどないのではないか、ということです。パターン分けして顧客像がぼんやりしてしまうよりも、各企業ごともっと精緻に見ていくべき内容かと考えます。

 

ということで、以下は、①価値のつくり方 にフォーカスしてビジネスモデルをパターン化しております。

結論:ビジネスモデルの種類は3パターンに集約できる

早速結論です。①価値のつくり方 にフォーカスするとビジネスモデルは下記3パターンに集約できます。

  1. 資産をお金に変える
  2. もの・サービスを取引し、差益を生む
  3. 人を集めて送客し、手数料を得る
以下で、それぞれについてビジネスモデルごとの勝ち筋も含めて説明して行きます。

①資産をお金に変える パターンのビジネスモデル

1-資産をお金に変えるビジネスモデルパターン

これは会社が持っている資産をお金に変えるモデルです。特徴としては、その資源を使ってお金に変えても基本的にその資源はなくならないと言う点です(もちろん機械が痛むなど、多少の減損は生じます)。

 

具体的には資産と言うのは、以下が挙げられます。

※会計上の資産とは異なる意味合いで使っています。

  • 機械(工場)
  • 場所(土地)
  • 人(マンパワー/頭脳)
  • プログラム
  • ライセンス・特許
  • ブランド

最近流行りのSaaSもここに入ります。このように捉えると、SaaSはリアルな資産をデジタル化/アウトソース化していると捉えることができますよね。主には、人から、デジタルへの移行です。社内の人材を想像するのではなく、BPOなどを想像すると分かりやすいはずです。

補足:SaaSの例

  • Salesforce (マネジメント/経営管理リソースをデジタル化)
  • Dropbox(社内のサーバから、Dropboxのサーバへ)
  • フリー/マネーフォワード(経理リソースをデジタル化)
  • SmartHR(人事部リソースをデジタル化)

業界でいうと、例えば以下が該当します。

  • 製造業界
  • 不動産業界
  • コンサルティング業界
  • BPO業界
  • Web業界
  • ゲーム業界
  • 物流業界
  • アパレル業界
  • (D2C業界)

GAFAMでいうと、「Apple」「Microsoft」がここにあたります。

このビジネスモデルのポイントとしては、以下が挙げられます。

  1. その資産がどの程度模倣が難しいものなのか
  2. どのぐらいの換金率なのか
  3. 維持コストはどのぐらいなのか
  4. スイッチングコストは高いか?

すごく当たり前ですが、模倣しにくいものの方が換金率は高くなり、ビジネスとしては優秀になります。

Appleは、ブランド価値が非常に高いので、利益率も高いです。

MicrosoftのOfficeは、Googleのスプレッドシートなどに代替され始めています。一方で特に大手企業を中心にスイッチングコストが高かったりします。(全員エクセル使っていると、変更しづらい)

ソフトウェアは模倣されやすいので表だけでは勝負しづらく、裏側のデータが主戦場になっていたりしますね。

このモデルはとにかく、「資産価値を高める」ことが重要です。そのためには、模倣されにくくすることが極めて重要です。

競争が激化すると、模倣出来るところはどんどん模倣されてしまうため、バイアスとしてはブランド強化に進むように思います。よって、このビジネスモデルにおいては「ブランド」を強化すべき、というのが筆者の考えです。

Apple、マッキンゼー、Cocacola、高級ブランド等をお手本にすると良いでしょう。

②もの・サービスを取引し、差益を生む パターンのビジネスモデル

2-もの・サービスを取引し、差益を生むビジネスモデルパターン

これはあるところからものやサービスを仕入れてそれを別の人に売るというモデルです。特徴としては、売る側(商品)と買う側両方見つける必要があるということ、売った時にものがなくなるということです。

業界でいうと、例えば以下が該当します。

  • 小売業界
  • EC業界
  • 飲食業界
  • エネルギー・資源業界
  • 金融業界

※飲食は、食材等を仕入れて加工し、付加価値をつけて提供するという文脈でここに分類しています。

GAFAMでいうと、「Amazon」がここにあたります。

また最近流行りのCtoCサービスもこれに分類されると私は考えています。つまり、Uberや、Airbnb、メルカリもここに分類されることになります。

当然各社横流しというわけではなく、何かしらの加工を自社で行っています。加工の種類としては例えば以下が挙げられます。これらは択一的なものではなく複数にまたがるケースも存在します。

  • 単位を小さくする(例:食材加工等)
  • ローカライズする (例:海外品の輸入販売)
  • 購入利便性を上げる (例:コンビニ,Amazon)
  • 信頼性を高める(例:Zappos,電気屋の保障サービス)
  • 提案する(例:アパレルのリアル店舗)
  • 流通速度を高める・マッチング精度を上げる (例:Uber,メルカリ)
  • 選択肢を増やす(例:Airbnb,クラウドワークス,ランサーズ)
  • 購入体験を向上させる(例:Casper)
 

このビジネスモデルのポイントとしては、以下が挙げられます。

  1. 何を仕入れるのか
  2. どこから仕入れるか (=どうやってボリュームを集めるか、安く仕入れるか)
  3. それを誰に売るのか(=市場選定)
  4. どんな付加価値をつけるのか

CtoCもまずは供給側(つまり商品)をまずは集めた方がよいと言われるように、供給側が極めて重要になります。

また、このモデルは1社独占市場になりやすいです。Amazon、Uber、Airbnb、メルカリなどを見て頂けると納得してもらえると思います。

よってこのモデルはいかに市場を見つけて早く独占するか(=その市場で第一想起を取れるか)が極めて重要です。

一方でもう一つの勝ち筋としては、付加価値の付け方です。これは飲食店が分かりやすいです。仕入れ食材ももちろん差別化要素に繋がりますが、その味であったり、従業員の接客であったり、雰囲気であったり、立地であったり、差別化要素をつけることでも勝っていけると考えます。

他にも、Zapposが良い例でしょう。(こういった視点で切り取ると、AmazonのZappos買収も面白いですね。)

ですので、御社が極めて大きくないのであれば、いかに「付加価値をつけるのか」が勝負になってきます。そういう意味では、楽天の各ショップの取り組みは参考になりそうです。

③人を集めて送客し、手数料を得る パターンのビジネスモデル

3-人を集めて送客し、手数料を得るビジネスモデルパターン

これは人を集め、広告を出し、送客することによってマネタイズするビジネスモデルです。1や2と近いのですが、こちらはマネタイズが間接的ということで分けています。つまり、提供している価値と、その対価がずれている点が特徴です。

②の「もの・サービスを取引し、差益を生む」においても「人材」を取引するケース(人材業界など)がありますが、ここでの違いは、

②は労働力としての提供である(買い手がいる)のに対し、③人を集めて送客し、手数料を得る のときの「人」は、買い手としての提供であるため方向が逆になります。

 

業界でいうと、例えば以下が該当します。

  • 広告業界
  • 比較サイト等

ですが、広告モデルのwebアプリもこちらに分類されますので、そういう意味だと下記もこれにカテゴライズされます

  • SNS
  • ニュース
  • ゲーム

GAFAMでいうと、「Google」「Facebook」がここにあたります。

このビジネスモデルのポイントとしては、以下が挙げられます。

  1. 誰を集めるのか(ターゲット選定)
  2. いかに安くかつ大量にタッチポイントを抑えるか(集客力やリテンション)
  3. いかに効率よくお金に変えるか(換金力)

このモデルは、提供している価値と対価が一致しない、という点がとてもミソです。つまり、サービスの価値を高めるだけではなく、その換金力も上げなければならないということです。

このモデルの重要な点は、データを使ってアライメントを修正する事だと私は考えます。

Googleは、圧倒的にユーザーにとって便利な機能を無料で配り、データを蓄積し、それを高精度に広告とマッチングさせることで高い換金力を誇っています。また、コンバージョンデータも計測している事で、高精度にアライメントすることが出来ます。

ちなみに日本語でも、1クリック数万円のキーワードがあるのを知っていますか?改めて凄い精度と効果(広告の成果)です。

ただこのアライメントを修正する、に関しては奥が深いので反響があれば別の記事で説明したいと思います。

 

またこのモデルは、一定以上のボリュームがないと成立しづらいという特徴があります。よって、

  1. ユーザーのパイを抑える
  2. 可処分時間を奪う

ことが優位性を保つ上で重要となってきます。その特性から一部の勝ち組企業が極めて大きな利益を得て、中小は全く儲からないという一社独占モデルになりがちです。

ビジネスモデルを厳密に定義することに囚われず、具体的なアクションをしよう

うちのビジネスモデルは、どれに分類されるのかわからない、という方もいらっしゃるはずです。そうなるはずです。そもそも、世の中にあるものを綺麗にゼロイチで分けることなど不可能です。全てはなだらかで、境界が曖昧にならざるを得ません。これを綺麗にパターン分けしようとした結果が、今のビジネスモデルの洪水のようになっているということです。

 

これらは、1社1ビジネスモデルでもなく、1サービス1ビジネスモデルでもありませんし、時間軸で変わることもあります。また、1業界が同じビジネスモデルにプロットされることもありません。

 

大事なことは、このビジネスパターン分類からどのような示唆を得るのか、です。ここで私が伝えたいことは、勝ち筋を見誤らないように注意すべきということです。

 

※本記事での勝ち筋は、中長期的な意味合いで記載しています。短期的な勝ち筋は異なる可能性はあります。

例えば、あなたがD2Cの会社で働いているのであれば、「ブランド強化」に一番注力すべき、ということです。もちろん、データに基づくパーソナライズも大事ですし、付加価値も大事です。ただ、最重要事項として「ブランド強化」があるべきと私は考えます。

 

つまり、具体的なブランドイメージが仮にないのであれば最優先で作るべきですし、あるのであればそのブランドの世界観を作るためのデータ取得であり、パーソナライズであり、付加価値であるべきです。

本記事のまとめ(ラップアップ)

世の中に沢山存在するビジネスモデルを3つに集約しました。

  • 資産をお金に変える
  • もの・サービスを取引し、差益を生む
  • 人を集めて送客し、手数料を得る
 

それぞれ勝ち筋は、

  • ブランドを強化する
  • 圧倒的に市場を押さえるか、付加価値をつける
  • データを使ってアライメントを修正する

と、極めてシンプルにすることで具体的な勝ち筋を提示することが出来ました。

 

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私関谷は、大手企業を中心とした戦略コンサルティングも行っています。

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